脳卒中で近くの人が倒れたら?応急処置法と治療の流れ

脳卒中で倒れた人への応急処置法

 

脳卒中は酷く面倒な病気です。

その理由の一つに、症状が人それぞれ異なる事が挙げられます。

 

突然何の前触れも無く倒れる事もあれば、

ちょっと気分が優れないと思ったら既に手遅れだった、なんて事もあるのです。

 

【関連記事】夏に多い脳卒中とは?前兆と初期症状でセルフチェックする方法!

 

「安静にして様子を見よう」という選択肢もあるのかもしれません。

 

しかし脳卒中は時間との勝負、手当てをしなければ病状は悪化するばかりですし、

逆に言えば適切な手当てさえこなせれば、

偶然その場に居合わせた人でも脳卒中の悪化を抑える事が出来るのです。

 

まずは慌てず、落ち着いて対処しましょう。

手当てをする方だけでなく、その周りの方も冷静になって、

今自分に何が出来るかを考えましょう。

 

脳卒中の症状が見られた場合、頭や体を動かさないように

気を付けつつ楽な姿勢を取らせます。

 

どうしても動かさなくてはならない場合は、寝かせたまま身体を

持ち上げられるもの(シーツや布団など、出来れば担架)に乗せ、

必ず数人で運ぶようにしましょう。

 

衣服のボタンやネクタイなど、身体の負担になりそうな物は緩めておくと良いですね。

患者が嘔吐、失禁する可能性もありますが、それでも周りは慌てないように。

 

嘔吐した場合は嘔吐物が気管に詰まらないよう身体を横に向け、

失禁した場合は服を脱がせようとすると身体の負担になってしますので、

そのままにしておきます。

 

A 脳卒中で近くの人が倒れたら?応急処置法と治療の流れ_html_3d8581ff

出典:healthlife.xrea.jp

 

また、救急車を呼ぶのも忘れないようにしておきましょう。

応急処置とはいえ一般の方では出来る事に限界がありますから、

手当てよりまず先に救急車を呼ぶようにしてください。

 

119番に電話をしたら、以下の事について聞かれるかと思いますが、

ここでも落ち着いて、冷静に答えましょう。

 

(1)住所 → 細かい住所が分からない場合は、何県何市などの大まかな

住所と目印となる建物、看板などを伝えます。

 

(2)名前 → 病人の名前、性別、年齢もそうですが、

電話をしている本人の名前なども一緒に伝えます。

 

(3)容体 → 病人がどのような状態かを事細かに伝えます。

 

意識があるか、呼吸はしているか、脈はあるか、

分かる事・気づいた事をしっかり答えましょう。

 

呼吸、脈拍が無かった場合、人工呼吸と心臓マッサージを行います。

119番に電話が繋がっている場合は、指示を受けながら行うと良いでしょう。

 

心臓マッサージはまず、胸の真ん中にある縦に長い骨『胸骨』の下半分を圧迫します。

右手の手の平を胸骨の下半分に当て、左手の手の平は右手の甲の部分に当て、

肘は伸ばしたまま体重をかけて押していきます。

 

1分間に100回の速さでリズミカルに圧迫し、これを15回行います。

次に人工呼吸です。

倒れた人の顎を突き出させて気道を確保し、鼻を摘んだら息を吹き込んでいきます。

 

口を付けてゆっくりと2回(1回につき5秒程)吹き込みます。

これを15セット、つまり2×15回行い、1セット毎に反応を調べます。

 

コツはあまり強く吹き込まず、また多量に吹き込まないようにする事です。

もしそれでも反応が無ければ、救急車が来るまで続けましょう。

 

脳卒中の治療方法

 

無事病院に運ばれたとして、次は脳卒中の患者への治療法について見ていきましょう。

治療方法は内科的治療と外科的治療、血管内治療の3つに分けられます。

 

内科的治療は簡単に言えば投薬と身体の管理。脳卒中は脳の病気ですが、

脳への悪影響は身体全体にも影響を及ぼします。

 

肺炎、心不全など合併症の恐れもあるため、先手を取って身体の

コンディションを万全にしておき、他の病気を発症しないようにするというわけです。

 

外科的治療は『開頭手術』、全身麻酔下で頭蓋骨の一部に穴を開け、

神経や血管を1本ずつ確認しながら手術を行っていきます。

 

それだけ聞くと何だか不安になりますが、長い歴史の中で洗練されてきた手術法ですので、

不安がる必要はありません。

 

最後に血管内治療。

 

大腿動脈、脳動脈から『カテーテル』と呼ばれる細い管を入れ、

その中からとてつもなく小さな道具類を使って治療します。

 

開頭を必要としないため、年齢や余病などで外科手術が不可能な方でも

治療する事が出来るのです。

A 脳卒中で近くの人が倒れたら?応急処置法と治療の流れ_html_m15b785e9

出典:www.tokaimedpro.co.jp

 

脳卒中の治療までの経過と期間

 

発症してから3時間以内であれば『組織プラスミノーゲンアクティベータ(tPA)』

という強力な血栓溶解薬を使用し、それ以降の6時間以内の場合は

脳血管造影やMRI検査を行い、カテーテルなどを用いた治療が行われます。

 

発症してから約2週間は病型によって症状が異なります。

脳梗塞の場合、最初の数日は症状が最も強く、不安定な時期となります。

 

抗血小板薬、抗トロンビン薬、抗凝固薬や活性酸素中和薬などが投与され、

同時に脳梗塞の原因の検索が行われます。

 

身体に問題が無ければ数日後から一般病棟に移り、リハビリが始まります。

脳出血も同様に、最初の2日程は治療に専念し、

全身状態に問題が無ければリハビリが始まります。

 

くも膜下出血は基本的に治療のみとなり、リハビリはもう少し先になります。

それから1週間もすればいずれの病型でも状態は落ち着きます。

 

それから先は再発予防、リハビリに専念します。

退院の時期はリハビリの結果次第となります。

 

【関連記事】脳卒中で後遺症が残る確率は?リハビリ治療の流れと期間は?

 

脳卒中の予防法

 

日常生活の中でも気軽に出来る脳卒中の予防法をいくつかご紹介したいと思います。

まずはお酒と煙草の量を減らし、食べ過ぎにも注意しましょう。

 

それと適度な運動も心掛けましょう。

予防法について、詳しくはこちら

 

【関連記事脳卒中の予防に効く食べ物は?簡単で美味しいレシピ集

 

これらの予防法は、何度も聞いた事のあるような方法ですが(笑)、

それだけに効果は期待できます。

No tags for this post.

コメントをどうぞ

Comments links could be nofollow free.

サブコンテンツ
Get Adobe Flash player