大人もかかる耳下腺炎とは?症状と治療法・感染対策

耳下腺炎とは?

 

片側、または左右の耳下腺付近(耳の下辺り)が大きく腫れて痛む

面倒な病気『おたふくかぜ』

 

正式には『流行性耳下腺炎』と呼ばれ、似た症状を持つ『反復性耳下腺炎』

区別されています(混同しがちですが、『反復性耳下腺炎』は『おたふくかぜ』

ではありません)。

 

繰り返し『耳下腺炎(耳下腺の炎症)』を起こしやすいのが

流行性耳下腺炎です。

大抵の場合、子どもの頃に罹るものですが、時たま成人にも見られます。

一度罹ると生涯免疫を獲得し、再度罹る事は極まれです。


 

また、流行性耳下腺炎と同じように耳下腺炎を何度も繰り返す病気が、

先程挙げた反復性耳下腺炎です。

 

風邪や疲労など、体調が優れない時に口内の細菌耳下腺の導管から

入り込み、慢性炎症の急性増悪を起こすというものです。

その多くは10歳未満の男女に見られ、成人では女性が罹りやすい

傾向にあるようです。

 

老若男女に共通した症状として、耳下腺を圧迫すると耳下腺導管開口部から

排膿が見られます(抗生物質を服用する事で17日の内に症状は消失します)。

 

また、耳下腺炎や顎下腺炎のせいで、顔が『おたふく』のように

大きく腫れます。おたふくかぜと呼ばれているのはこれが理由です。

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出典:benesse.ne.jp

 

その他にも、発熱や疲れ、だるさなどの全身症状が現れます。

少し前までは春から夏にかけて流行する事が多かったようですが、

最近では季節に関係無く、1年中見られます。

 

【関連記事】大人の耳下腺炎の感染ルートは?仕事はいつから行ってもいい?

 

大人でも耳下腺炎にかかる?

 

流行性耳下腺炎は一度罹ると終生免疫がつくため、再度罹る事はありません。

再感染する場合も一応ありますが(過労で体力が落ちている時など)、

そのほとんどが症状すら出なかったり、仮に出たとしてもすぐに

完治してしまいます。

 

しかし一度も罹らなければ大人になっても終生免疫を獲得出来ず、

耳下腺炎に罹る確率はぐんと上がり、症状も悪化すると言われています。

 

大人がかかった場合(子供との違い)

 

人によってその症状は異なりますが、最初の34は片方、

あるいは両方の耳下腺付近が腫れ、ズキズキと痛みます。

 

合わせて頭痛も酷く、飲み込む事も食べる事も、喋ることさえままならない

状態になります。

また、大人が流行性耳下腺炎に罹った場合、子供よりも症状がきつい

言われています。

 

高熱が出やすく、耳下腺の腫れ・痛さも子供の比ではないそうです。

これは反復性耳下腺炎にも言える事で、特に成人女性が罹った時は

シェーグレン症候群でない事を検査で確認する必要があります。

 

大人になってからおたふくかぜに罹ると何かと厄介です。

子どもの頃に予防接種を受けていない方は、今からでも受ける事を

オススメします。

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出典:marthanew.com

 

治療法・予防法

 

流行性耳下腺炎に有効な治療薬はありません。

基本的に対症療法であり、発熱・痛みに対してはアセトアミノフェンの

内服・坐薬が、耳下腺の腫れには抗生物質が用いられます。

 

合併症を併発した場合、入院して治療することが多くなります。

無菌性髄膜炎を合併した場合には腰椎穿刺(背骨の中に針を刺す)で

脳脊髄液を排液して脳圧を下げます。

 

精巣炎の合併頻度も高く、場合によっては不妊の原因にもなります。

難聴を合併した場合、治療法が存在せず、聴力が回復する見込みは

ほとんどありません。

 

成人し、集団生活の中に入る前に、きちんとワクチンで予防しておく事が

何よりも有効な予防法ですね。

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